一時帰国前に知っておきたい!海外在住者が一時帰国した時の保険

一時帰国中の急な病気やケガに備えるには

一時帰国中の保険のまとめ漫画

海外滞在中の方も色々な理由で日本へ一時帰国することがありますよね。

その際に気になるのが一時帰国中の「保険」。

海外転出届を出して住民票を抜いている状態ですと日本の国民健康保険にも未加入の状態ですので、一時帰国は楽しみな一方、日本滞在中に急な病気やケガにあってしまわないか不安という方もいらっしゃるはずです。

では、海外在住者が日本に一時帰国する際の保険はどうすればよいのかについて考えてみましょう。

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当サイト管理人のキャリー桃子が解説します! 

転入届を出して国民健康保険が利用できる?

恐らく多くの人が検討するのが、「転入届を提出して国民健康保険へ加入する」ではないでしょうか?

しかし結論から言うと、自治体によっても異なるため一概には言い切れませんが、日本滞在期間が1年未満の場合は国民健康保険が利用は難しい可能性が高いかもしれません。

自治体によっても異なるかと思いますが、日本滞在期間が1年未満の場合は転入届を受け付けないという自治体もあります。

住民票における住所の意義と認定につきましては、住民基本台帳法第4条に規定があり、各人の生活の本拠があるところを住所として登録していただくこととなっております。そのため、家財等を今までの住所に残したまま、一時的に別の住所に居住する場合の住民票の異動はできないこととなっております。
したがって、帰国が短期の場合(国からの通知等で1年未満とされています)で、また同じ居住地に戻ることが明らかな場合につきましても、日本への居住は、海外に生活の本拠をおいたままの一時的なものと判断され、転入届を受け付けることができず住民登録はできないこととなっております。
<引用:沖縄市

国外に生活の本拠があり、日本へ一時帰国する場合は、国民健康保険(以下、「国保」)に加入することはできません。(医療機関等で受診する際は、お住まいの国の保険制度や海外旅行保険等をご利用ください。)
<引用:瀬戸市

このようにそもそも海外に本拠がある場合は一時帰国中の転入届を受け入れられず、それに伴い国民健康保険も加入できない可能性も十分ありえるということですね。

また、もし転入届が受理され国民健康保険に加入できた場合も、以下のような義務も発生するため注意が必要です。

  • 国民健康保険料、国民年金の加入・支払い
  • 住民税(日本での収入がある場合) など

加えて転入届を出し一時帰国を終えて海外居住地へ帰る際は、海外転出届の提出をお忘れなく!

全額自己負担で治療を受ける場合

では、国民健康保険に加入せず全額自己負担で治療を受けた場合の治療費はいくらぐらいになるのでしょうか?

ざっくりとした目安ですが、ホームページで治療費(保険適応で3割負担)を公開している医療機関があったので参考までにご紹介しますね。

  • 虫歯治療(初期~抜髄):5000円~7万円程
  • 風邪で受診(初診料・処方箋料):3000~4000円程

<参考:岡山協立病院一橋病院

実際の治療費は、各医療機関や治療内容によって異なります。

日本滞在中にいくら気を付けていても、海外居住国との気候差や疲れ・緊張が解けて風邪をひいてしまったり、久しぶりの日本食を堪能していたら歯のつめ物がポロっと取れてしまったり、なんてこともありますよね。

そんな時に健康保険に未加入で無保険の場合ですと、日本居住時よりも高額な治療費を支払わなければならないんですね。

国民健康保険に加入する以外の方法は?

海外在住者が一時帰国の際、転入届を出して国民健康保険に加入する以外に医療費を抑える方法には、以下のようなものが挙げられるでしょう。

  • 移住先で海外旅行傷害保険などに加入しておく
  • 移住先で海外旅行保険が付帯するクレジットカードを利用しておく
  • (海外移住前に日本の海外旅行保険に加入した場合)一時帰国中補償特約を利用

現地語や英語でのやり取りが必要になりますし、少し手間はかかるとは思いますが、一時帰国の前に居住国の保険に加入している場合は旅行保険が含まれていないかや、居住国で作ったクレジットカードに旅行保険が付帯されているか、補償内容についてなどを確認してみて、必要に合わせて海外旅行損害保険等に加入するというのも一つの手ですね。

旅行や留学、駐在などの目的での海外渡航に伴い海外移住前に日本の海外旅行保険に加入した方で、一時帰国中補償特約がセットされている方は一時帰国中も補償を受けられる場合もあるそうです。

ただし、滞在日数や加入保険の補償対象・内容などによって保険対象外になることもあるので、必ず事前に加入保険内容を隅々まで確認しておきましょう。

一時帰国中に安心して過ごせる選択を

さて、海外在住者が日本に一時帰国中に使える保険について簡単にまとめてみました。

「帰国後すぐに転入届を出して国民健康保険に加入しよう」とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、「自国外に生活の本拠がある人が日本へ一時帰国する場合は国民健康保険に加入できない」と公式サイトに明記している自治体も多数見られますし、いざ届出をしようと思ったら断られる可能性も十分ありえるでしょう。

そのため、無保険での一時帰国が不安という方は移住国の海外旅行保険への加入や海外旅行保険付きのクレジットカードの利用など、安心して日本滞在を楽しめる方法を見つけられるといいですね。

その場合は保険会社によって補償対象など内容はさまざまですし、手続きに時間がかかる場合もあるため、一時帰国前に十分な余裕をもって取り組んみましょう。

本サイトでは、海外生活や海外在住者の資産運用に役立つ情報もまとめているので是非以下の記事も合わせて読んでみてくださいね。

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